2008年神奈川

川崎大師〜碑巡り〜
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 車を買い換えたこともあって、川崎市川崎区大師町の川崎大師(HP)に行ってみた。


大山門


金剛山金乗院平間寺

大治3年(1128年)、開創。

真言宗智山派の大本山である。

高尾山薬王院成田山新勝寺とともに関東三本山のひとつ。

大本堂


東国八十八箇所1番

関東三十六不動霊場第7番札所である。

関東八十八ヵ所霊場特別霊場でもある。

交通安全のお守りを買う。

八角五重塔(中興塔)


昭和59年(1984年)、弘法大師1150年御遠忌に落慶された。

八角五重塔から薬師殿に向かうと、芭蕉の句碑があった。


父母のしきりに戀し雉子の聲

出典は『笈の小文』

貞亨5年(1688年)春、芭蕉が杜国と高野山を訪れて詠んだ句。

明治26年(1893年)10月、芭蕉二百回忌に建立。

 明治27年(1995年)11月3日、正岡子規は川崎大師を訪れている。

 石造りの壁に沿ふてぐるりと廻れば山門に出でたり。門は普請に掛りて七分通りは出來上りたり。本堂も鐘樓もいかめしく庭園など手を盡したるものから卑俗にして些の風韵なし。弘法殿或は俗人なりしやも知れず。山門だけは足場高く掛けて圍ひたるにゆかしき心地す。

   朝霧の雫するなり大師堂

   くさびうつ音の高さよ霧の中

   菊咲くや大師の堂の普請小屋

「間遊半日」

初出『日本』(明治27年11月4日)

 大正13年(1924年)12月29日、永井荷風は川崎大師に参詣する。

曇りたれど温暖春の如し。午後川崎の大師堂に賽し、裏門より野徑を歩み、細流に沿ひて鹽Mの海邊に出づ。沖の方より海苔をつみたる小舟列をなして歸り來り、折柄の上汐に乘じて細流を上り行けり。水邊の漁家皆籬邊に海苔を干したり。


 昭和33年(1958年)5月26日、川崎大師に高浜虚子を招いて句会を開莚。

かりそめに人人らしめず薔薇の門

      五月二十六日 川崎大師、句会。

金色の涼しき法の光かな

      五月二十六日 本堂改築竣工。


立派な虚子の句碑があった。


金色の涼しき法の光かな

昭和34年(1959年)4月8日、虚子は85歳で永眠。

同年5月14日、虚子の句碑を建立。

川崎大師の本堂改築竣工を祝つて一日訪ねた。鹿野山の山口笙堂さんも参加。新しい本堂に坐して静かにゐると快かつた。松蝉がよく鳴いてゐた。父歿後、この句碑が境内に建てられた。

『虚子一日一句』(星野立子編)

薬師殿


平成20年(2008年)11月、落慶。

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