街 道


成田街道〜古帳庵の道標〜

佐倉市井野の国道296号は成田街道。


成田道と加賀清水の道標

 江戸時代成田参詣で賑わったこの街道の名物の一つに加賀清水があった。佐倉城主大久保加賀守が愛した泉は、この地の茶みせ“林屋”で多くの旅人ののどを潤し、7代目市川団十郎は碑文に、

“天はちち、地はかかさまの清水かな”

と唱えている。

国道296号沿いに古帳庵の道標があった。


船 橋 四 里
   春駒やこゝも小金の原つゞき
   古帳女

成田山五里半
   立どまりたちどまる野や舞雲雀
   古帳庵

天保11年(1840年)正月、建立。

古帳庵は江戸小網町の豪商鈴木金兵衛。

碑陰に「井野新田 林屋惣七」とある。

「林屋惣七」は茶店の主人である。

路次を入ると、加賀清水公園がある。

この清水は第八代佐倉城主大久保加賀守忠朝(1678〜1686)が愛飲し、江戸への往来の時に必ず立ち寄ったところから、加賀清水、または井野清水と呼ばれるようになったと伝えられる。

その後、成田街道脇の林屋という茶屋がこの清水を客に振舞っていた。現在国道296号線脇に加賀清水道路標があり、往時の林屋の繁昌振りが偲ばれる。

昭和57年3月

佐倉市

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