牧水歌碑
延岡高等学校
山ざくら 三月末より四月初めにかけ天城山の北麓なる湯ケ島温泉に遊ぶ。附近の渓より山に山桜甚だ多し、日毎に詠みいでたるを此処にまとめつ。 |
うすべにに葉はいちはやく萌えいでて咲かむとすなり山桜花
『山桜の歌』 |
旧県立延岡中学校第一回卒業 |
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生若山牧水先生三十年忌に当 |
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りこれを建てる |
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昭和三十二年九月十七日 |
『牧水歌碑めぐり』(大悟法利雄著)によれば、全国で20番目の牧水碑である。 |
この歌は大正十一年春伊豆湯ヶ島温泉での作だが、牧水自然詠の代表作と言われる名歌であり、若い生徒たちに夢を抱かせる明るい歌という意味から選ばれたのであった。 碑石は同校出身の詩人渡辺修三の寄贈した黒岩園峡谷の明るい色の火成岩で、縦八〇センチ、横六〇センチぐらいの自然石の一面を鏡に磨いて牧水晩年の丸やかで親しみのある筆跡の歌が五行に刻まれている。あまり大きくはなく、それが低い台座に据えられているからさして目立たないけれど、素朴で気品のある歌碑である。
『牧水歌碑めぐり』(大悟法利雄著) |