昭和24年(1949年)4月28日、高浜虚子は星野立子共に輪島で能登ホトトギス俳句大会。29日、蓮浄寺で句会。当時中島村長の大森積翠居に泊る。 |
能登中島駅から蓮浄寺まで、座布団が敷かれたリヤカーに乗ってきたそうだ。 |
四月二十九日。 中島に行き蓮乗寺句会。大森積翠居泊り。 奥能登は漸く木の芽吹く頃か 老眠し花見弁当食べ過ぎて 水芭蕉と山躑躅とを活けしこと 袈裟とりて主僧くつろぎ花の客 いさざ(※「魚」+「少」)金白魚銀と区別され 積翠居句謠会 おもむろに句短冊切る蛙鳴く こゝに来て今宵蛙の声に寝ん |
輪島を発つて中島に向ふ。車中、 能登三井とよみて遅日の停車場 中島著。蓮浄寺大夜庵に落ちつき一ト句会。水芭蕉と いふ珍らしい花が床に生けてあつた。
星野立子・未刊句日記 |
四月十四日 能登行大阪発十一時 中島町大森積翠宅 泊り 春宵の句会能登路の旅はじまる 尼寺に分宿もして花の旅 花の旅田打終へたる能登に入る
『句日記』(第二巻)
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こゝに来て |
今宵蛙の |
聲に寐ん |