もりもりもりあがる雲へあゆむ 夕焼うつくし今日一日はつつましく まいにち水を飲み、水ばかりの身ぬち澄みわたる |
「もりもりもりあがる」は昭和15年(1940年)9月1日の句。 「夕焼うつくし」は昭和15年(1940年)9月18日の句。 「まいにち水を飲み」は昭和15年(1940年)9月19日の句。 |
宇治平等院 三句 雲のゆききも栄華のあとの水ひかる 風の扉ひらけば南無阿弥陀仏 うららかな鐘を撞かうよ |
酒壺洞君を搾取した、君は今、不幸つゞきである、君に消災妙吉祥。…… さくら餅といふ名はいゝ、餅そのものはまづくとも。 ・松風のゆきたいところへゆく ・洗へばよう肥えとるサカナ ・松風すゞしく人も食べ馬も食べ ・遍路さみしくさくらさいて ・さくらさくらさくさくらちるさくら |
出典は『行乞記』(三八九日記)。昭和6年(1931年)2月5日、「味取在住時代 三句」のうちの1句。 |
鉄鉢の中へも霰 へうへうとして水を味ふ |
「鉄鉢の中へも霰」の出典は『草木塔』。「昭和二年三年、或は山陽道、或は山陰道、或は四国九州をあてもなくさまよふ。」とある中の3句目。 「へうへうとして水を味ふ」の出典は『行乞記(二)』。昭和7年(1932年)1月8日、福岡県遠賀郡芦屋町で詠まれた句。 |
自然を愛し自然を友として生きた漂泊の俳人種田山頭火を称えて |
咳をしても一人 | 放哉 |
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その松の木のゆふ風ふきだした | 山頭火 |
姫路山頭火会例会は小豆島放哉記念館・西光寺南郷庵を訪ねる |
山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く 春夏秋冬 あしたもよろし ゆふべもよろし |
遺骨を迎へて いさましくもかなしくも白い函 街はおまつりお骨となつて帰られたか |
永平寺 三句 水音のたえずして御仏とあり てふてふひらひらいらかをこえた 法堂(ハツタウ)あけはなつ明けはなれてゐる |
出典は『草木塔』。「昭和二年三年、或は山陽道、或は山陰道、或は四国九州をあてもなくさまよふ。」とある中の2句目。 |
御手紙ありがたく拝見しました、御厚情の程御礼申上様もありません、おかげでまた歩きつゞけてをります、明後日は白船居まで行けませう、そこから詳しい消息いたしませう。 たまつて今日の草鞋をはく
昭和4年1月18日、木村緑平宛書簡 |