月山、羽黒山、湯殿山の3つの山を出羽三山という。それぞれの高さは1984m、414m、1504m。月山、湯殿山は冬期間積雪のため参拝ができないので三神を祀るようになったという。 |
元禄二、六月四日、羽黒山本坊におゐ(い)て興行 |
有がたや雪を薫らす風の音 | ばせを |
|||||||||||||||||||||||||||||||
すみけん人のむすぶ夏艸 | 露丸 |
|||||||||||||||||||||||||||||||
6日に月山頂上まで登り、山小屋に一夜を明かして、7日には湯殿山神社に詣でた。 |
元禄2年(1689年)6月10日、芭蕉は鶴岡へ。会覚阿闍梨は餞別の句を贈っている。 |
餞別 |
|||||||||||||||||||
羽黒本坊 |
|||||||||||||||||||
忘なよ虹に蝉啼く山の雪 | 会覚 |
||||||||||||||||||
杉のしげみをかへりみか月 | ばせを |
||||||||||||||||||
元禄9年(1696年)6月15日、天野桃隣は羽黒山祭礼を見て句を詠んでいる。 |
六月十五日は羽黒山祭礼、三所権現神輿御出、鉾幡・傘鉾計ニテ、境内纔一丁計廻リ、其儘本社へ入せ給ふ。繕はぬ古例、謂レ有事とや。近郷挙テ詣ス。 ○五十間練ルを羽黒のまつり哉 ○吹螺に木末の蝉も鳴止ぬ |
元禄10年(1697年)、広瀬惟然は羽黒山を訪れて句を詠んでいる。 |
羽黒山に僧正行尊の名ありけるに、人々案内せられて |
豆もはやこなすと見ればおどろかな |
|||||||||
時を今渡るや鳥の羽黒山 |
|||||||||
享保元年(1716年)7月7日、稲津祇空は常盤潭北と奥羽行脚。羽黒権現に参詣している。 |
あくれは七月七日、南枝きたりて案内して権現のみやしろにまいる。 |
かけごしに見よ鵲の羽くろ山 |
||||
眉半に暑さやをくる上羽黒 | 北 |
昭和14年(1939年)6月、芭蕉の奥の細道250年を記念して羽黒山で慰霊祭。 |
今年は芭蕉翁登拜の昔より二百五十年に當るとかや 御山の中興天宥法印の御靈と併せて慰靈祭を行はる むかし雪をかをらす雪水かこれの青葉ぐもり 水のべ清淨と夏の木の葉を掃く |