2019年北海道

親子熊岩〜菅江真澄〜
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国道229号を走る。


奥尻島が見える。

せたな町大成区長磯の国道229号沿いに「親子熊岩」があったので、立ち寄る。


親子熊岩物語

 大昔、この地に天変地異をもたらす大嵐があり、生物の生存をおびやかし、自然の猛威は飢餓という試練を与えた。

 この頃、山奥に親子の熊が棲んでいたが、飢えをうったえる子熊を連れ海岸に辿りついた。親熊は海岸に群れる子蟹を見つけ食べさせていた。子熊も親のしぐさを真似て子蟹を追ったが、一瞬のうちに岩をすべり海中へ………

 親熊は夢中で溺れる子熊を助けるため手を伸ばすが、ぬれた岩に足をとられ、無残にも海中へ………

 一部始終を見ていた海の神様は、子を思う親の愛の深さに心をうたれ、溺れる親子熊を救いあげ、愛の姿をそのままに岩に変身させたのだった。

せたな町
国民宿舎 あわび山荘

もう少し、道路側から撮った方がよかったようだ。

国道沿いに菅江真澄の歌が書かれていた。


さみだれの雨の晴間にみね麓かゝるも
   あやし花のしら雪

 菅江真澄は寛政元年(1789年)4月29日〜5月7日までクドウ(大成町)に滞在し、紀行文「えみしのさえき」の中に記している。

シヤモこと葉かよふアヰノのかたりもて浜路をゆき、いはむらをわたり谷にくだり、たかねをわくれば桜咲たり。こは、さつき山にはつ花よりも、と、ずんじて行がてに、

   さみだれの雨の晴間にみね麓かゝるもあやし花のしら雪

『蝦夷喧辞辯』(えみしのさえき)

エゾカンゾウが咲いていた。


2019年北海道