恵山岬灯台は、明治23年(1890年)に点灯しました。 この灯台は、灯台を一周する散歩道から見えるばかりではなく、裏のドウダンツツジの木々の間からも、少し先の道路を下ったところにある海へわきだす温泉に入りながらも、またうしろの活火山「恵山」に登ると噴煙の中からも、いろいろな見え方をする灯台です。 |
恵(※「足」-「夷」)山の麓をのみこぎめぐれば湯濤(イデユ)の流あり。ウラリもなごりなう晴れて頂もあらはれたり。三とせのむかし此峰にのぼりて見し処なれば、こゝまでは、めやすきやうなれど、行末はいざしら浪の、空とひとしう見や[ら]るゝかたをさして、たゞ舟の漕ぐにまかせて行ほど、しほのみちのいとくらく、雲とかゝり、霞とながれ、霧とたちこむるは、この恵(※「足」-「夷」)山のやけのぼる煙也けり。
『蝦夷廼天布利』(えぞのてぶり) |