2020年北海道

鰊御殿とまり〜川村家番屋〜
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泊村大字泊村に「鰊御殿とまり」があったので、立ち寄ってみた。

泊村指定有形文化財第1号・第2号
旧川村家番屋および、旧武井邸客殿

 「鰊御殿とまり」は、修復した旧武井邸客殿の敷地に、旧川村家番屋(泊村郷土館)を移築し、一体化した漁場建築として整備し、平成13年4月28日より一般公開しているものです。

 明治27年(1894年)に川村慶次郎によって建てられた旧川村家番屋は、泊村に現存する唯一の番屋建築で、ニシン漁の最盛期の雰囲気を色濃く残す建造物として、高く評価されています。特に柱と梁に使われているタモやセンの太い木材は、現在では入手不可能な貴重なものです。

 大正5年(1916年)頃に武井忠吉によって建てられた旧武井邸客殿は、もとは母家と番屋につながる漁場建築の一部でした。4部屋続きで54畳にもなる客間を中心とした豪勢な建造物で、高い天井に相応しい欄間の透かし彫り、広い廊下と床板の埋め木、便所の唐傘天井など、意匠を凝らした装飾が随所に見られます。

 文化財指定日 平成13年4月27日   泊村教育委員会

鰊御殿川村家番屋


月曜日で休館日だった。

 ここ泊村では、今から300年程前[江戸時代]より「にしん漁」が始められ、明治中期より大正末期までは「にしん」の千石場所として栄え、村の発展に大きく寄与しました。

 最盛期は泊村に50を超える漁場があり、「にしん」の建網が92ヶ統、網元が個人で造ったミニ漁港[袋澗]もおよそ40ヶ所在ったといいます。1ヶ統に要する人数が40人程度ということから、東北の各地から働き手である「ヤン衆」が相当数来て、泊の浜も大変な賑わいだったようです。

 春にまると、「群来(くき)」という浜言葉があるように、海を埋め尽くすほどの大量のニシンが岸近くまで押し寄せ、産卵のために海の色が一面乳白色に変わり、そこに群れ飛ぶカモメ、波間を渡るヤン衆のキリ声、浜ではモッコを背負う人の波・・・と、壮大なドラマが繰り広げられました。

 ここに、松前を始点とし、北の彼方まで「にしん漁」で栄えた日本海沿岸の市町村に「にしん街道」の標柱を設置しようという「にしんルネサンス事業」の一環として、また、往時を偲ぶ文化遺産を後世に引き継ぐとともに、地域の活性化を繋げる証として、この標柱を設置しました。

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