昭和11年(1936年)5月2日、吉井勇は高浜から瀬戸内海の島を巡る。大三島、伯方島、生名島(いきなじま)、因島を経て、5月13日、尾道に着く。 |
因島は、古くは隱島又は院島と呼ばれ、南北 朝の頃より史上に現はる。周回十里、名勝白 瀧山には奇岩多し。 因島に船近づけば聽こえ來る鐵板を打つ夕ひびきかも 船工場ある島なれば夕潮に異國の船も船がかりせり 島島の灯ともし頃をゆるやかに生名渡しの船は出づらし 旅ごころやうやく倦みぬこの山に吾(あ)をおどろかす奇(く)し岩もがな
『旅 塵』 |
島々の |
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灯ともし頃を |
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ゆるやかに |
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生名渡しの |
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船は出づらし |
さよならは |
また会うことば |
みなとまち |
青波 |