俳 人
村井素大
八郎潟町夜叉袋羽立、昼寝の里の豪農。五明の門人。初号一知。金之丞。鶯々舎。 天明5年(1785年)、五明は渭虹らと共に夜叉袋の素大に招かれる。『梅の浦道』 寛政2年(1790年)、五明は渭虹を伴い八郎潟の月見に赴く。 |
湖上の鴈、山辺の紅葉、折にふれたる鶯々舎の眺めなるに、あたり近き風人のふたり三人入来りて、昼は机に膝をすすめ、夜は頭をたちならべて、枕ながらに暁の鐘もおどろかず。今別れんとする老のほそ脛のちからなきを、僅に離盃の一句を杖とし、もくもくとして立出づる。 |
小囲炉裏や放れかねたる老の秋 | 五明 |
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留風のみにほそり行く道 | 素大 |
『ひるねの月』 |
寛政5年(1793年)9月、芭蕉百年忌に小夜庵社中は芭蕉の句碑を建立。 |
寛政5年(1793年)、『月以都古』(素大・樗木・野了編)上梓。五明序。 |
羽の八龍湖の東濱一向堂のほとりなる水底に寶鐘のうつもれあなる事むかしより人の言傳侍るに今年はせを翁の一百の遠忌に越前かねか崎にての一句を鑄りて晝寐の里の三子彼境内に碑をいとなミ建る其眞情を冊子のはしめにあらハす 小夜庵 五明
水底の鐘も鳴れ碑の初時雨 |
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昼寐里 |
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海の鐘世にあらはすや翁塚 | 素大 |
槻の木たちの庵地ふる霜 | 野了 |
裝束の飛たつ馬を乗すえて | 五明 |
碑に俤のたつや村時雨 | 樗木 |
象潟や虫はいづれの松の声 | 素大 |
百いろの木の葉焚かばや塚供養 | 野了 |