俳 人
一路観宣頂
大 山 | ||||||||||||
宣頂 | 沼野掃部 |
宣頂亭 さばへなす蚊も候はず秋の山
『白雄贈答』 |
寛政7年(1795年)2月15日、西上人六百遠忌正当法要。秋暮亭興行の歌仙に宣頂の句「むら雨の降か中なる秋の月」がある。 |
寛政12年(1800年)7月22日、「秋暮亭再建寄附并諸入用紙」に「一南鐐一片 大山宣頂沼野掃部」とある。 享和元年(1801年)8月、葛三の秋暮亭再建。百韻の歌仙に宣頂の句「梟の鼻の先なる月夜さし」がある。 |
文政3年(1820年)、8月、一路観宣頂七回忌追善集『阿夫利雲』(淇渓編)刊。雉啄序。 |
菴の竹霜の降べき夜なりけり 狩のあと嘸(さぞ)かた鶉暮を啼 松葉焚て掛菜あむ家のくらき哉 太白星のさやかに梅を離れたり やむ事を得す散華の夕かな 原中や一粒雨にかた鶉 夜の酒うめか香たるくはらふ也 出代や便船たのむ人の親 古暦入日をまねくおもひあり しくるゝや竈にせふる唐からし はるの月遅き礼者のおくらるゝ 凍蝶のきふを侘る籬かな 葉桜に世を捨心くらへけり うすくれやかたりわかるゝ山さくら 蚊柱の行方をかしや鬼かはら 鼻さきのふたもと榎しくれけり 茂らすは植たき木あり時鳥 |
鳴もせぬ顔を並へる巣鳥かな |
宣頂 一号一路観 相模大山 沼野掃部 夜顔みたる月の雫や別れしも 宣頂 |
秋の夜や祖父のかたみの松の声 山焼の灰の舞こむ庵かな |