俳 人
巒寥松
文化13年(1816年)、『随斎諧話』(成美著)寥松序。包寿跋。 文政11年(1828年)、芭蕉の句碑を建立。八朶老人寥松書。 |
天保2年(1831年)、『八朶園句纂』(白梅社中編)刊。 |
結び昆布春のもの迚解安き 名月やなしといはれぬ蛇の足 梁(うつばり)にかんなもかけず花の春 温泉の山や木履ふみかく秋の風 とりあつめても夕暮よ秋の艸 虚舟(からぶね)の流れあたりぬ白露に 山際や一霜うけて晩稲咲 秋暮ぬ百がものなき痩からだ 頤を風の吹の歟鹿の聲 けふハもう山時鳥とはいはし 秋暮ぬ百がものなき痩からだ 麦打や井戸のあちらの花葵 はつ花におつとり出る田槌かな いとゞなけ恥かき道具見ぬふりに 何処までも秋をのさばれはな芒 四月のひとしづまりや柏散る もの知の言はむつかし草の花 氷魚(ひを)取も見へ(え)ず柳の夜となりし 珍重す雪すこし散庭の笹 生鯛の背にのせてやる花柚哉 一昨日のことは覚えぬうめのはな 耳なしの山の梔(くちなし)秋たちぬ 道灌の世も見し鶴かすみだ川 恋 あはぬ恋しかも男に生れけり 見しと聞ど一日違ひやはつ桜 |