俳 人
荒巻蘭里・菊男
元文5年(1740年)、蘭里は楠屋三代景徳として生まれる。 明和6年(1769年)、蘭里は竹馬と共に上洛。蝶夢を訪ねる。 |
杵築の蘭里竹馬か歸るを高瀬川に見送て 舟にそふて散行柳うら山し |
明和4年(1767年)1月、竹茂急逝。 明和4年(1767年)8月、『一日記』(竹茂撰)。麦浪跋。 安永2年(1773年)、竹茂七回忌集『竹のむかし』(蘭里編)刊。 安永5年(1776年)11月、蘭里は35歳で没。妙経寺に葬られた。 |
また落ぬ木の葉ぬらすや初時雨 晴たりと詠る空にゆふしくれ しくれ会や粟津に降は何の雲そ おのが居る跡はすゞし蝉の声 ぬれて行僧よひとめん時雨の日 枯尾花みたれほつれて折にけり |
安永7年(1778年)、三回忌追善集『雪の味』(一幹編)刊。蝶夢序。 寛政3年(1791年)、菊男は父蘭里が入手した芭蕉の真蹟「けふばかり人も年よれ初時雨」の短冊を埋めて法西寺に「時雨塚」建立。 寛政7年(1796年)12月24日、蝶夢は64歳で没。 寛政10年(1798年)、『蝶夢和尚文集』(瓦全編)刊。菊男跋。 |
初しくれ檜皮ふきたる軒清し |
夕顔や湯殿はひ出るひきがへる 浴室やけふり地をはふ夕時雨 経石を書音すなり秋のくれ うぐひすや人なき寺に老を鳴 貝吹て山伏ゆくや野ゝしくれ 贅にひく牛のあゆみや夕しくれ 茶の花によしあしもなし筒の水 糸竹は名利の人の月見哉 鶏をぬすまれし夜や霜深き いとし子よ山吹折るな水近し 冬籠こもり習て冬しらす |