俳 人

大場雄渕
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 仙台大崎八幡神社の神職。名は雄淵。通称は山城。丈芝坊白居門。瓠形庵二世。

雄淵   仙台大崎八幡町 大場山城


大崎八幡神社


 宝暦8年(1758年)、仙台に生まれる。

 寛政4年(1792年)1月21日、暁台没。

追悼之誹諧   奥州仙台社中

 丈芝坊
更衣かくてもはてぬなみた哉
   白居
こゝろもしらてわくらはの散
   万寸
岩はしる流に履やぬらすらむ
   雄淵
あちらむかへの夕けふりたつ
   北鳳

『落梅花』(臥央編)

 文化5年(1808年)5月25日、『曽良句碑建立句集』刊。大場雄渕と松井梅屋編。

芭蕉と曽良の句碑


朝よさを誰まつしまぞ片心
   芭蕉

松島や鶴に身をかれほとゝぎす
   曽良

右が曽良の句碑。

文政11年(1828年)2月、滝沢神社に芭蕉の句碑を建立。



葉類裳やゝ希之起登々南宇月と梅

碑陰に雄淵・曰人等建碑者31人が連名で刻んである。

文政12年(1829年)8月29日、72歳で没。

雄淵の句

蘿かづら我より先にしぐれけり

蕪煮間に時雨たり日暮たり


かたぶくは月のくせなり鹿の聲


元日や奥のならびに雪の降


夕たちのあとおしてるや海の月


ぬれ安きすゝきと成ぬ宵あかり


魚鳥の年もよるかよ十三夜


家ほどの浪もて来ては啼千鳥


ありあけを合点て行や生海鼠取


浅間見て何処まで行ぞ蚕紙うり


水鳥のそらし皃也朝の月


銀河秋一すぢの夜のけしき


踏はづし雲ふみはづし時鳥


冬来ても木隠れ安し三日の月


水鶏にもうとまれがまし世にあれば


水鶏にもうとまれがまし世にあれバ


   宮城野にて

降はづの雨にあひけり萩の花


限りなき雲のおくより秋の月


水鶏にも疎まれがまし世にあれば


風立や萍(うきくさ)におくこゝろより


梅柳世は木がくれて見ゆる也


傘もてといふて紅葉の便かな


家ほどの波持て来ては啼鵆


薺撰(え)る宵や御次の丸行灯


折てやる月夜は持たす桃の花


朝すゞし枕のぬかのこぼれくち


月代に里はかくれて鹿のこゑ


山住や思ひ捨ても雪ははく


百性(姓)の臍(ほぞ)落したる野分かな


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