俳　人～松村篁雨

俳　人

松村篁雨

鴻巣宿で医者。横田柳几の門人。幼名小十郎、通称正敏。松蘿堂。

　享保１８年（１７３３年）、武蔵国足立郡下上谷村（現・鴻巣市上谷）に生まれる。

　安永６年（１７７７年）６月１日、島村嵐二と北越から奥羽にかけて旅をする。『北越奥羽紀行』

　安永７年（１７７８年）８月１４日、横田柳几は篁雨を伴い関東三社詣でに旅立つ。『月の直路』

　安永８年（１７７９年）３月１日、横田柳几は篁雨を伴い筑紫へ旅立つ。

三月朔日東海道を上りて木曾路を下る首途の吟

立と來る乙鳥や富士を一めぐり	柳几

雲遊千里の杖を試みて

旅立に虎の名うれし櫻かけ	篁雨

『筑紫紀行』

　安永８年（１７７９年）３月１９日、横田柳几は千代倉家に泊り、２０日名古屋へ向かう。

下郷家本家（千代倉屋）

三月十九日　晴天

　一、武州鴻巣横田三九郎殿柳几、松村文蔵殿篁雨、供壱人御越御泊。誹諧歌仙一巻出来。

三月廿日　晴天　柳几、篁雨、今朝名ごやへむけ御立。

『千代倉家日記抄』（学海）

文化６年（１８０９年）７月１７日、７７歳で没。

道ばたに盆かわらけの破れけり

文政７年（１８２４年）７月、追善集『盆かはらけ』刊。

篁雨の句

入やすく出にくきものゝ巨燵哉

『古河のわたり集』

ひとりつゝ見て戻りけり水仙花

『晒布集』

藻の花やかづきの鳥のかざし物

『いははな集』

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