鶴屋句空
『北の山』(句空編)
元禄5年(1692年)1月16日、芭蕉は句空に「うらやましうき世の北の山桜」の句を贈る。 |
元禄2年(1689年)7月、句空は芭蕉が『奥の細道』の旅で金沢を訪れた折に入門。 |
うらやましうき世の北の山桜 | 翁 |
雪消えしまふ細ね大根 | 句空 |
人足のあたまかぞゆる春風に | 去来 |
大はらや蝶のでゝ舞ふ朧月 | 丈艸 |
句空法し、卯辰山の藤ある松陰にかりなる |
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草をむすびはじめられける、その夜まかりて |
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つよかれとつくらぬ花のいほりかな | 北枝 |
菜の花や小屋より出るわたし守 | 史邦 |
木曾塚のほとりに、むすびすてられたる翁 |
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の庵にしばらく侍りて |
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すてゝゆく庵見よとや遅桜 | 句空 |
名月や疊の上に松の影 | 其角 |
行脚のとしをかさね、東武にかへりて |
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ともかくもならでや雪のかれ尾花 | 翁 |