俳 人
伊藤鷄路
寛政6年(1796年)9月18日、平野平角の別墅梅園に句を届ける。 |
此日、花巻鷄路坊より文來り、句論あり。尤風雅にいちはやき人なり。句は |
見すもかな花野は人の老を吹 | 鷄路 |
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風はしる藺の枯株や後の月 | 同 |
此國の産とてとたんを贈らる。山いろ鐡屑の如く、和賀郡仙人山より出るよし。
『梅園日記』 |
朝かほの夫さへ風に裂れたり 風筋や梅さくかたの朝ほらけ 夏川や蜷にすみきる水の垢 萩ふせは藜(あかさ)さわくそ夜も昼も 松風も琴の音もありかんこ鳥 我おもふ山の栗やくしぐれかな なでしこのもて來て秋のあつさかな 芒ほどさむい物なし手を切て 撫子のもてきて秋の暑かな |