蕉 門

片山助叟

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片山助叟

長崎の人。大淀三千風の門人。風雲斎。

 貞享2年(1685年)、長崎来遊中の大淀三千風に会う。

 元禄5年(1692年)、誹諧釿始』(助叟編)刊。助叟自叙。

 元禄6年(1693年)秋、長崎に帰る。12月、上京。

 元禄8年(1695年)7月、東武に向う。江戸で越年。

 元禄9年(1696年)3月、天野桃隣は芭蕉三回忌にあたって『奥の細道』の跡をたどる。片山助叟が同行。

   八十八潟九十九森

目のとまる方へ打むく涼哉
   洛陽風雲斎
助叟

鳥海に雪あり西は雲の峰

助叟

   蚶満珠寺

僧達の江湖の隙や合歓花



『旅客集』(第2冊)

涼しさや始て冨士に後むく
   三千風

薬欄にいづれの花を草まくら
   芭蕉

この二人は、今の世に道徳俳名を得たり。東往居士三千風は吾師なり。分て行脚の先達なれば、巻の始に。

『みとせ草』

 元禄11年(1698年)7月28日、各務支考は福岡で助叟に会っている。

此前日洛の助叟きたる。共に和風のぬしにまねかれて市中の別墅にいたる。この日の殘暑たえがたきに暮に歸る。道すがらの江村の暮色よのつねならぬに、礒山に夕日のかゝりたるけしきを、

山は秋夕日の雲ややすあふき
   助叟


 元禄11年(1698年)、去来は長崎を去る。

   送去来

朝風やまて荷にさはる花薄
   如叟


 元禄11年(1698年)、大淀三千風は九州に趣く。

 元禄13年(1700年)、助叟は除風庵を訪れている。

   除風庵にあそひて

冷汁の草を見立る庵かな
   助叟


助叟の句

   愛 蓮

唐蓮の華待顔や椽(縁)の先


とをのいて詠すへたる紅葉哉


   長崎文通

五月雨の雲の一重や宵の星


中山やしけりたふとし陰陽


けふ迄は上手に生てはなみ哉


はつ雁や能登の出張の帆懸舟


   しのぶ摺の石

青麦の今もあるしやしのふ摺


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