俳 人
宮坂自徳
諏訪市桑原町の人。宮坂助九郎。自在庵祇徳の門人。別号二時庵。布屋逸二。 |
天明8年(1788年)3月11日、蝶夢は江戸へ下る途中で自徳を訪れている。 |
十一日、余寒甚しといへども上諏訪へ趣く。高島の城は湖水に築いでゝ、まことに甲斐の根城なりしことも思ひ出らるゝ。この町の自徳子を訪ふに、翁の雪月花に筆をとり給ふ器物見せらるゝを、 水入の囀りきくや諏訪の湖 |
寛政4年(1792年)10月21日、栗庵似鳩は二時庵自徳を訪れている。 |
今昼ニ至て諏訪何某殿の高島の城下ニ遊テ二時庵自徳子を訪ふ、旧識なりけれは薄履の儘時を移して語る、主の吟あり |
混 雑 |
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賑かに早乙女渡る野川かな | 二時庵 | 自徳 |
剃捨てて黒髪山の故露もかへ | 曽良 |
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唐土へ雲吹き拂へ十三夜 | 自徳 |
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春立つや富士の白雲出でにけり | 素檗 |
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湖へ出久かたの田植かな | 若人 |
宮守の白髪目出たし老の春 はつ雪は朝降ものと覚たり 時鳥聞て寐ぬ夜をかぞへけり 時鳥聞て寝ぬ夜を算へけり 寐付れぬ晝寐を蠅に小言哉 つくづくと雪の古寺詠めけり 朝の間は静におもふ桜かな 鉢のうめまた春浅き匂ひかな 蝶鳥に紛るゝ旅のつかれ哉 夜嵐に今朝はきひしき冬の山 ちひちひと花散風のなき日かな 爪立て啼かと思ふ鶉かな もろこしへ雲吹はらへ十三夜 |