俳 人

守村抱儀
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 江戸浅草蔵前の札差守村次郎兵衛。俳諧を成田蒼キュウ(※キュウは虫+おつにょう)に、絵を酒井抱一に学ぶ。別号小青軒。真実庵。

抱儀 御蔵前旅駕丁森田町   森村次郎兵衛


抱儀 一号行雲又鴎嶼 東都浅草 不知斎

 深しともみぬ野果なし枯尾花 抱儀


 文化2年(1805年)、江戸に生まれる。

 文政2年(1819年)、小沢何丸は江戸に出て抱儀の援助で俳諧宗匠となる。

 文政10年(1827年)、『芭蕉翁句解参考』(月院社何丸)刊。小青軒抱儀序。

 天保3年(1832年)、善光寺参詣。

 安政5年(1858年)2月、芭蕉の句碑を建立。月院社何丸書。



曙やまた朔日に郭公

文久2年(1862年)1月16日、58歳で没。

明治4年(1871年)、『抱儀句集』。

抱儀の句

雨のさくらおもく冷たく散にけり


鴛の妻の思ひは闇の松風か


うたがはぬけしきや冬のすみだ川


木鋏の鳴らぬしめりや鳴いとゝ


梅の蓙そつと丸めて捨にけり

よみ声も涼し市場の瓜茄子


大雪や雪のよこれを降かくす


起てからひとつふえけりかきつばた


木からしに啼々通る鴉哉


日くらしや夜は鳴もせて暮いそき


まぼろしやまだ見ぬ方の花を添


誰が曝す布ぞ新樹の梢より


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