俳 書

『他むら』(貞佐・潭北編)



 享保5年(1720年)、貞佐・潭北は下野を遊歴。

 享保5年(1720年)、『他むら』(貞佐・潭北編)。桑々畔貞佐・百華荘潭北序。傍池亭露沾跋。

貞佐・潭北は共に榎本其角の門人。

  結城我尚子の亭に臨て

陰あれはとくと花柚の中やとり
  貞佐

道をむすひし麦穂嬉しき
   我尚

ちよんと切見せる大空玉子にて
   潭北



  十九日古風山光泰寺芭蕉雪中
  両居士の牌を拝して
 鹿沼会
昼顔や我も乳筋の土に伏
  貞佐

蝉に筧の是に候
   五株



  中禅寺の湖水は六月朔日より

御堅固に鹿沼禅頂とくや舳(とも)

  うらみか滝にて

裏襟のほころひ行や深山百合

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