俳　人～早野巴人

俳　人

早野巴人

初号は竹雨。夜半亭宋阿。其角、嵐雪の門人。

　下野国那須郡烏山（現・栃木県那須烏山市）に生まれる。９歳の頃、江戸に出て俳諧の道を志す。

　巴人は師の其角、嵐雪、同門の湖十その他の俳人に烏山の名所を詠みこんだ句を依頼。

　元禄１５年（１７０２年）、巴人は烏山の滝田天満宮に其角、嵐雪、渭北らの烏山八景の句を奉納。

烏山八景碑

　正徳４年（１７１４年）、稲津祇空は早雲寺の宗祇墓前で剃髪。

新居士衣朝のひだを枇杷の花

　享保元年（１７１６年）４月３日、稲津祇空は庵崎の有無庵を出て奥羽を行脚。

田も畷も懐きよしこゝろてん

　享保１２年（１７２７年）、江戸から京都に移住する。

　元文元年（１７３６年）春、砂岡雁宕は京に上り巴人の草庵を訪れる。

　元文２年（１７３７年）４月１９日、砂岡雁宕の求めに応じて京を発つ。３０日江戸に入る。日本橋本石町に夜半亭を結んで宋阿と改号した。

　　　元文二年四月十九日京都を発して、
　　　同三十日江戸に入る日記あり。お
　　　ほくの俳友泉路にかへる。十余年
　　　の変化、なみだとゞめ難し。

指を折る数にも入らんほとゝぎす

　享保１８年（１７３３年）、『一夜松』（巴人編）を上梓、北野神社に奉納。

『続一夜松後集』

　元文４年（１７３９年）１１月、其角・嵐雪三十三回忌追善集『誹諧桃桜』（宋阿編）刊。

寛保２年（１７４２年）６月６日、夜半亭にて病没。

宝暦５年（１７５５年）２月、『夜半亭発句帖』（雁宕編）刊。雁宕序。蕪村跋。

安政３年（１８５６年）８月、烏山八景碑再建。其角堂七世永機書。

宋阿の句

炭竈や鹿の見て居る夕煙

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