俳 人
谷川護物
護物 | 難波町曲突河岸 神田於玉ヶ池 | 神田於玉ヶ池紺 |
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屋丁二丁目代地向 | 田喜庵 |
安永元年(1772年)、伊勢に生まれる。 文政2年(1819年)8月、田喜庵で金令舎興行の次韻。 |
痩鹿のうしろ見てやる山の端に | 里丸 |
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草も刈らせぬ樋の口の土 | 護物 |
文政7年(1824年)4月26日、護物は江戸を旅立ち、軽井沢を経て佐久の葛古邸まで旅をする。『燧袋』 文政8年(1825年)10月12日、里丸は江戸の田喜庵で蕉雨、護物と脇起こり俳諧を巻く。 文政9年(1826年)10月12日、芭蕉の百三十三回忌に里丸社中は芭蕉の句碑を建立。田喜庵護物書。 |
文政11年(1828年)3月、半場里丸は田喜庵で俳諧興行。 |
文政十一戊子三月 | 於田喜庵興行 |
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花を洩るあまりや我に月かさす | 里丸 |
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蝶を相手にひとりくむ酒 | 田喜 |
天保13年(1842年)、『伯先発句集』(蕣齢編)護物序。 |
天保14年(1843年)、芭蕉の百五十回忌・一茶の十七回忌に『あられ空』(山岸梅塵編・法眼護物序・卓池跋)刊。 |
唐崎の松もういかや神の留守 屋敷衆の舟の使や萩の花 はツ聲を葎に入る蛙かな 裏關や蚊遣にも經る松の年 下京や水鶏まちてもなぐさむ夜 山寺ははや簾して雉の声 燕来て蚊屋つり草ももゆる也 入梅も終わるかはきや猿すべり 旅こゝろとかくほそきに雨の花 うくいすや松に七度雪かけて 瓜むくや甲斐の咄のおろ覚へ(え) 蚊屋釣ておもひやみけり升落 名月と住みくらべけり長命寺 紙子着て鶴にやりたる日和かな 花と見し間のひさしよはつ茄子 逢ふ坂や人の煖婆にとふむかし かたつぶり碓の小ぬかのかゝりけり 籠の鶴空恋しかる紫苑哉 漣のあとさる音や今朝のあき 若松といふがあればや初がすみ 堀多き木場の屋敷やうめ椿 閑古鳥松に隠るゝ意地もなき 人日や見覚のあるみやこ鳥 東風吹くや川水汲で上る土手 放れ鵜の遊ぶ夜もあり草の露 老そめて鳴ぬ蛙や天の川 月と連ん三輪の山本遠ければ 行灯のおぼろに明て八軒屋 蓬莱にこほして行ぬ袖の雪 鴬や二三の聲に向直り 寒竹の下葉あれたる雪解かな はいはいと出るや小春の鱗雲 霜月や新田持のいはひ酒 |