蕉 門

岡村不卜

indexにもどる

江戸の人。通称は市郎右衛門。別号一柳軒。

 寛永9年(1632)、不卜生れる。

 延宝6年(1678年)、『俳諧江戸広小路』撰。

 延宝8年(1680年)、『誹諧向之岡』撰。

 貞享4年(1687年)10月末、芭蕉は「笈の小文」の旅に出る。不卜は餞別の句を贈っている。

留守のうち猶やせぬべし冬の菊


 貞亨5年(1688年)、『続の原』撰。

不卜は鹿島に詣でている。

同游とかしまに詣ける比、海の日の波を離出るに、「武蔵野の月といづれかさきにせん」といひて

松陰や旭見に行春の海
   不卜


不卜は法華経寺の五重塔を見ている。

   中山の塔を見やりて

広き野の塔みよとてや舞ひばり
   不卜


法華経寺五重塔


元禄4年(1691年)4月9日、60歳で没。

芭蕉は不卜の一周忌に句を詠んでいる。

   不卜一周忌、琴風興行

杜鵑鳴音や古き硯ばこ

天野桃隣『陸奥鵆』

琴風は不卜の門人。

桑折の田村不碩も不卜の門人。

不卜の句

匂ふらん江戸のよし野の朝霞


蕉 門に戻る