俳 人
奥村亜渓 ・ 志宇
亜渓平松村 奥村俊治 |
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周女 |
『名録帖』(文通帖) |
捨鐘をふたつ慥に時雨けり |
宝暦11年(1761年)、志宇女は近江国大津に生まれる。加藤曉台に師事。奥村俊治に嫁ぐ。 |
陽炎や其俤を塚のうへ
『風羅念仏』(法会の巻)
四五輪の花に雫や初しぐれ なるやうになるをし鳥の双ひ哉 はつ液雨赤い中なるちから草 舟引の綱に芒にゆくしくれ ふたつならびたるものはまれに。美 し松またすくなし。 蝸牛ひとりをにすむ小家かな 合点して聞ばきく程閑古鳥 時雨来し夕々や此夕 合点して聞ばきくほどかんこ鳥 |
卯の花にすそすれすれて更衣 | 美松 | 亜渓 |
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五月雨に草木のこころ引き立てる | 志宇 |
夕霞花は朧の渡月橋 手にふれと(ママ)見れば消けり初氷 くさき衣干るあり帰り花 埋火や人の来ぬ夜も面白ひ おもはくのまゝを高雄に降時雨(※「雨」+「象」) 一しくれ持ぬ夕日の檜木山 高声は森の社や夕しくれ けふの日を菊ハ忘れず八重葎 薺うつひゞきに出たり月の梅 楢の葉に山がかくれてほとゝぎす はつ花のおもひ液雨の照消る あら鷹や吹雪の中を雲に入る 春の雨はつ瀬に袖をぬらしけり |