發句なり松尾桃青宿のはる 季吟勸進巻頭 和歌の跡とふや出雲の八重がすみ 此梅に牛も初音と鳴つべし 藻にすだく白魚やとらば消ぬべき 姨石に啼かはしたるきゞす哉 花にうき世我酒しろく食黒し 花は賤の目にもみえけり鬼薊 うち山や外様しらずの花ざかり 遁世の時 雲とへだつ友かや雁の活わかれ |
春立や新年古き米五升 嵐雪か亨たる正月小袖を着たれば 誰やらが姿に似たり今朝の春 |
空の餘波をしまんと、舊友の來りて酒興じけるに、元日の晝まで臥、あけぼの見はづして |
二日にもぬかりはせじな花の春 |
たかき屋にのほりて見ればの、御製の有がたきを今も猶、 |
叡慮にてにぎはふ春の庭かまど 京ちかき所に年をとりて こもを着てだれ人います花の春 |
湖頭の無名庵に年をむかふ時、三日口を閉て題正月四日 |