今から450年程前、甲斐の国の軍勢が飛騨を攻め入りました。 このとき、疲労困憊した甲斐の兵士達が、やっとの思いで平湯大滝までたどり着き、ぼんやりと滝を眺めていると、滝の口から1匹の年老いた白猿が降りてきて、山中にこんこんと湧き出る温泉へと導いてくれました。 これが平湯温泉の始まりと伝えられています。 |
七月十四日。快晴。 右手近くに絶えず焼岳の噴烟を仰ぎながら案外平易な国境越えをして、平湯に下りたのは、ちょうど正午であった。道は四里に少し遠い。村山館というのに宿をとって、華厳によく似た大滝をも見に行った。 |