花のいのちは みじかくて 苦しきことのみ 多かりき |
おほいなる もののちからに ひかれゆく わがあしあとの おぼつかなしや |
うつそみの人のためにと菩提樹を こゝに植ゑけむ人の尊とさ |
「常陸國下妻に古刹あり光明寺といふ、門外に一株の菩提樹あり、傳へいふ宗祖親鸞の手植せし所と、蓋し稀に見る所の老木なり、院主余に徴するに菩提樹の歌を以てす、乃ち作れる歌七首」とある、7首目の歌である。 |
朝寒や たのもとひゞく内玄関 |
木下利玄 | 花ひらをひろけつかれしおとろへに牡丹おもたく萼をはなるゝ |
伊藤左千夫 | 信濃には八十の群山ありといへと女の神山の蓼科われは |
吉井 勇 | かにかくに祇園はこひし寐るときも枕のしたを水のなかるゝ |