2017年福 岡

元「金本旅館」〜碑巡り〜
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 飯塚市西町の故金本冬雲宅に芭蕉の句碑があるというので、訪ねてみた。

金本氏宅の庭の草木に埋もれるように芭蕉の句碑があった。


春もやゝけしきとゝのふ月と梅

出典は『薦獅子集』(巴水編)。

 元禄6年(1693年)1月20日、深川芭蕉庵から大垣の木因に宛てた書簡にある。

『続猿蓑』(沾圃編)に収録。

『蕉翁句集』は「元禄五甲(ママ)ノとし」とする。

芭蕉の句碑の後ろに河野静雲の句碑があった。


仏壇にちゝはゝ在す冬ごもり

河野静雲は福岡市出身の時宗の僧。

昭和24年(1949年)、大宰府に花鳥山佛心寺を創建。

昭和49年(1974年)、86歳で死去。

駐車場には金本冬雲の句碑があった。


蕾まだ何の色とも花菖蒲

昭和40年(1965年)11月5日、高浜年尾は金本冬雲邸で飯塚句会。

   十一月五日 飯塚句会 金本冬雲邸 冬芽会有志外直
   方の讃井麦酔夫妻参加

行人に池畔の柳散りやまず

垣外へ垂れ蔓薔薇も末枯れて

庭うちの芒のほとり秋深し

『句日記』(第二巻)

故金本冬雲宅は元「金本旅館」。

 正岡子規「水音のまくらに落つる寒さ哉」の句碑などもあったようだが、近くのお寺に移されたそうだ。

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