梅かゝを |
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はるはる |
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尋ね |
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入野哉 |
入野の暁雨舘を訪ふ |
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梅かゝをはるはる尋ね入野哉 一茶 |
寛政7年、俳人一茶がたずねてきた入野の暁雨館はここである。暁雨館は、庄屋山中家九代の閑トの子時風の名付けた舘である。二人は学問が深く俳句に優れ俳聖芭蕉と師の淡々の句碑を医王寺あとに建立した外、郷土愛に燃えて、附近のすゝきが原の顕彰につとめた。暁雨館にとまった一茶は、すゝきが原を逍遙、独特の作品を残し地方文化に花を添えた。その後すゝきが原と暁雨館は、文人墨客の杖をひく所となり、山中家また文武両道にわたり、代々郷土の発展に寄与された。時代の変遷のなか、暁雨館の庭園は、今も古への面影を留めている。ここに心ある方々の浄財をもって、一茶の句と暁雨館の由緒を刻み、余光を永遠に伝えるものである。 |
附木さく間に火や消て鹿の声 |