牧水歌碑
細江町
下関市細江町の若山牧水の歌碑に気づかなかったので、あらためて写真を撮りに行った。 |
桃柑子芭蕉の実売る磯町の |
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露店(よみせ)の油煙青海にゆく |
明治40年(1907年)6月、東京から故郷の宮崎に帰省中の途中、下関を訪れて詠んだ歌。牧水が21才の時である。 |
山陽本線の終着駅だった旧下関駅、関門・関釜連絡船の埠頭につながる一帯は、「山陽の浜」とよばれ、大陸および九州方面への旅行者や市民で雑踏した。明治末期、ここをおとずれた若山牧水(1885−1928)は、桃・柑子(みかん)・芭蕉の実(バナナ)がならぶ夜店の風景を詠み、第一歌集「海の声」に収録している。漂泊する歌人の胸に旅情の灯をともした山陽の浜は、すでに幻となたが、この牧水の歌とともに今も人々の郷愁をさそう海峡の街である。
美と安らぎのある街づくり実行委員会 |