牧水歌碑
霧島いわさきホテル
霧島市牧園町高千穂の県道1号小林えびの高原牧園線沿いに林田温泉「霧島いわさきホテル」(HP)がある。 |
霧島山栄之尾温泉にて、同所は海抜九百米の山腹に在り、同二、三日 |
見おろせば霧島山の山すその野辺のひろきになびく朝雲 明方の月は冴えつつ霧島の山の谷間に霧たちわたる
『黒松』 |
竣工したのは昭和十六年で、十月十二日に除幕式が行なわれた。位置は栄之尾温泉の入口、碑石は県内伊敷産で高さ二メートルばかり、歌は大正十四年の時にそこで作ったものである。 有明の月は冴えつつ霧島のやまの谷間に霧たちわたる この歌、歌集『黒松』では初句「有明の」が「明方の」となっているが、それは後に推敲されてそうなったもので、原作はこうだった。声調も堂々としているが、作歌当時、半切に書いたその筆蹟がまたことに堂々としていて、大へん感じのよい歌碑である。 ところが、戦後栄之尾温泉が旅館をやめてしまったため、歌碑はおい繁る草叢に半ば埋もれてしまい、それでは惜しいということになり、林田温泉の社長が費用を出してその温泉に移し、今日に至っている。 |