県道37号南アルプス公園線から川沿いに七面山表参道登山口に向かう。 登山口に「山襞のしげきの山いづかたの襞に啼くらむ筒鳥聞ゆ」の歌碑があるはずだが、道が悪いので途中で引き返した。 |
大正13年(1924年)6月、若山牧水は七面山へ向かう道中、赤沢宿「えびすや」に泊まっているそうだ。 |
石畳の上には「雨をもよほす雲より落つる青き日ざし山にさしゐて水恋鳥の声」の歌碑があるはずだが、車で行くのも心配なので帰ることにした。 |
甲州七面山にて 朴の木と先におもひし近づきて霧走るなかに見る橡若葉 花ちさき山あぢさゐの濃き藍のいろぞ澄みたる木の蔭に咲きて 雨をもよほす雲より落つる青き日ざし山にさしゐて水恋鳥の声 山襞のしげきこの山いづかたの襞に啼くらむ筒鳥聞ゆ
『黒松』 |
羽衣橋より春木川に沿うて下ること半里にして、赤沢といふ部落に達す。旅館二つ、一を江戸屋といひ、一を大阪屋といふ。小日本を山中に見る心地す。取りつきの大阪屋に投じて午食し、又午睡す。これより身延山を越えて、身延に赴く予定なりしが、斯くては今日の中に甲府に帰れず。舟にて早川の急流を下ることに変更し、春木川に沿うて下る半里にして、角瀬に至る。こゝは春木川の早川に合する処也。
「七面山より駒ケ嶽へ」(早川下り) |