芭蕉の句
やがて死ぬけしきは見えず蝉の声
無常迅速 やがて死ぬけしきは見えず蝉の聲 |
『卯辰集』には「けしきも見えず」、『桃の実』には「けしきに見えず」とある。 『桃の実』に「此句、人上渡世、天道地變にも、かゝれる名句ならんと、世こぞつていひ侍りぬ。」とある。 |
むかし湖南の幻住庵に。一夜の夢をむすびしが。其夜もしらずよみしやすらん。にくみしやすらん。無常迅速の一句をあたへて。先師も麓までおくりは申されしか。
「示二秋之坊一辭」(支考) |
秋之坊は、金沢の門人。元禄2年(1689年)7月、芭蕉が『奥の細道』の旅で金沢を訪れた折に入門。 |
埼玉県深谷市の吉祥院 千葉県木更津市の高藏寺 長野県木島平村の天然寺、国道沿い 山梨県昭和町の県道沿いに句碑がある。 |
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『はせをつか』(楓幻亜編)に「はせを冢 同上白井 琴岱ゝ やかて死ぬ氣色は見えす蝉の聲」とあるが、現存しない。 |