芭蕉の句


梅若菜まりこの宿のとろゝ汁

出典は『猿蓑』(去来・凡兆共編)。

元禄4年(1691年)、乙州が大津より江戸に赴く時の餞別句。

   餞乙東武行

梅若菜まりこの宿のとろゝ汁
   芭蕉

 かさあたらしき春の曙
   乙

丸子宿は東海道五十三次20番目の宿場町。

「丁字屋」の「とろろ汁」で有名。

慶長元年(1596年)、「丁字屋」創業。

   むめ若菜まり子の宿のとろゝ汁

此一章ハ乙州大津より東行の餞別なり。梅若菜ハ青白の色立にして道々の風流さこそといへる心もこもるへし。又とろゝ汁ははいかいの魂にして、駕兒出女の哀も無下に見過すましき羈旅の一棒と見るへし 此句三段切口受


静岡県静岡市の「丁字屋」、島田市の大井川河川敷

三重県伊賀市のくれは水辺公園に句碑がある。

「丁字屋」の句碑


梅わかなさぞ乙州のとろゝ汁
   好山


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