芭蕉の句
月清し遊行のもてる砂の上
元禄2年(1689年)8月14日(陽暦9月27日)、芭蕉は敦賀に着き、先ず氣比神宮に参詣した。 |
その夜、月殊晴たり。あすの夜もかくあるべきにやといへば、越路の習ひ、猶明夜の陰晴はかりがたしと、あるじに酒すゝめられて、けいの明神に夜参す。仲哀天皇の御廟也。社頭神さびて、松の木の間に月のもり入たる。おまへの白砂霜を敷るがごとし。往昔遊行二世の上人、大願発起の事ありて、みづから草を刈、土石を荷ひ泥渟をかはかせて、参詣往来の煩なし。古例今にたえず。神前に真砂を荷ひ給ふ。これを遊行の砂持と申侍ると、亭主かたりける。 月清し遊行のもてる砂の上
『奥の細道』 |
国々の八景更に氣比の月 |
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月清し遊行のもてる砂の上 |
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ふるき名の角鹿や恋し秋の月 |
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月いつく鐘は沈る海の底 |
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名月や北国日和定なき |
福井県敦賀市の常宮神社 島根県松江市の善光寺に句碑がある。 |