芭蕉の句
名月や池をめくりてよもすから
丁卯のとし 一、芭蕉菴の月みんとて、舟催(ふなもよひ)して参りたれば、 |
名月や池をめぐつて夜もすがら | 翁 |
此わすれながるゝ年の淀ならむ 名月や池をめぐりて夜もすがら 必とする事なきは素堂亭の年わすれにして、固とせざるは芭蕉庵の月見なるべし。 |
名月や池を廻りて夜もすから 此句ハ詞すらすらと云下して芭蕉庵一夜の佳興なるへし。宵の程は竹のかこミ花やかにさし出るより下り立て、句をもとめ詩を吟す。やゝ光半天にかゝりて、池水は氷をしけることく、盃をあらふ客も思ひやらる。まして暁は士峯に光をおさめて物の栄梧も観すへく、「かたふく月のおしきのミかハ」と詠る哥の心も籠れる歟。是等ハ句外の意味なれは無用の弁とて高き人は呵りたまハめと、我此事を思ひ立日より初学に古翁の粉骨をしらしめん為にして、更に老俳の手にふるへくも思ひ侍らねハ、しりへに嘲りをかへり見す、みしかき才を動しはへる |
青森県五所川原市の芦野公園、八戸市の「芭蕉堂公園」、鰺ヶ沢町の広沢寺 宮城県柴田町の大光寺 山形県米沢市の心光寺、極楽寺 栃木県藤岡町の繁桂寺 群馬県みどり市の阿左美沼、太田市の民家、高崎市の瀧の宮神社 埼玉県行田市の天神社、川越市の喜多院 千葉県匝瑳市の妙広寺 神奈川県茅ヶ崎市の高砂緑地 山梨県甲府市の能成寺、笛吹市の山梨岡神社、甲州市の三光寺 長野県小海町の松原湖、諏訪市の金鳳寺、茅野市の頼岳寺 滋賀県栗東市のコミュティセンター大宝前 京都府京都市の広沢池 山口県岩国市の吉香公園 愛媛県宇和島市の源池公園 高知県宿毛市の浄土寺 大分県中津市の薦神社、日出町の松尾寺 熊本県苓北町の「民宿一休」に新旧2基の句碑がある。 |
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中村浩の『句碑のある風景』(1976年)によれば、料亭「冨竹」の庭に「名月や池をめぐりて夜もすがら」の句碑があったそうだが、現在行方不明。 |