芭蕉の句
暑き日を海にいれたり最上川
元禄2年(1689年)6月10日、芭蕉は鶴岡城下の長山重行宅へ。13日に酒田の伊東不玉宅、14日には寺島彦助亭へ。 |
羽黒を立て、鶴が岡の城下、長山氏重行と云物のふの家にむかへられて、俳諧一巻有。左吉も共に送りぬ。川舟に乗て、酒田の湊に下る。淵庵不玉と云医師の許を宿とす。 |
あつみ山や吹浦かけて夕すゞみ |
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暑き日を海にいれたり最上川 |
『俳諧一葉集』には「寺島彦介亭」と前書きがある。 『俳諧書留』、『継尾集』、『泊船集』には「涼しさや海に入たる」とある。 |
六月十五日、寺島彦助亭にて |
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涼しさや海に入たる最上川 | 翁 |
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寺島 |
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月をゆりなす浪のうき見る | 詮道 |
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黒がもの飛行庵の窓明て | 不玉 |
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長崎一左衞門 |
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麓は雨にならん雲きれ | 定連 |
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かばとぢの折敷作りて市を待 | ソラ |
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かゞや藤衞門 |
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影に任する霄の油火 | 任暁 |
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八幡源衞門 |
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不機嫌の心に重き恋衣 | 扇風 |
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末略ス |
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『俳諧書留』 |
○十五日 象潟へ趣。朝ヨリ小雨。吹浦ニ到ル前ヨリ甚雨。昼時、吹浦ニ宿ス。此間六リ、砂浜、渡シ二ツ有。左吉状届。晩方、番所裏判済。
『曽良随行日記』 |
山形県山形市の山形蔵王PA、天童市の天童タワー、酒田市の日和山公園 岐阜県大垣市の「ミニ奥の細道」に句碑がある。 |