中村草田男ゆかりの地

旅のあれこれ～文　学

中村草田男ゆかりの地

草田男の句　・　草田男の句碑

　本名清一郎。旧制松山中学校（現：県立松山東高等学校）時代に回覧雑誌『楽天』の同人になる。加藤楸邨、篠原梵、石田波郷とならんで『人間探求派』と呼ばれた。

　明治３４年（１９０１年）７月２４日、清国福建省厦門に生まれる。

　明治３７年（１９０４年）、母ミネと共に中村家の本籍地愛媛県伊予郡松前町に帰国。

　明治３９年（１９０６年）、松山市に転居。

　大正１１年（１９２２年）、松山高等学校入学。

　大正１４年（１９２５年）、一家で東京に移転。４月に東京帝国大学文学部独文科に入学。

　昭和４年（１９２９年）、東京帝国大学在学中に高浜虚子を訪ね、師事。東大俳句会に入り、水原秋桜子の指導を受けた。

　昭和６年（１９３１年）１２月６日、中村草田男は武蔵野探勝会で喜多院へ。

永く居て薄き秋日にあたゝまる

『長子』

　昭和８年（１９３３年）４月、成蹊学園に就職。

　昭和８年（１９３３年）８月１６日、高浜虚子は北海道に旅立つ。草田男、秋桜子、同行。

　　　北海道旅中

野明りやあちらこちらへ鴨わたる

『長子』

　昭和９年（１９３４年）、母と共に松山に帰郷。

　昭和９年（１９３４年）６月、『ホトトギス』同人となる。

　昭和１１年（１９３６年）２月１６日、高浜虚子は章子を伴い渡仏の度に出る。中村草田男は横浜港に見送る。

頸に風呂敷のやうなネクタイを巻いた拳鬪手めいた朝日新聞の記者が忽然と現れる。ノートと鉛筆を双の手に先生に向つていろんな質問を始める。軈て先生は色紙を取上げられ、濃い墨加減の線の肥えた字でククククと豐かに一句を認めて手渡された。

　　　古布衣著のみ著のまゝ鹿島立

中村草田男「横浜解纜」

　昭和１１年（１９３６年）１１月、第一句集『長子』刊。

　昭和２１年（１９４６年）、俳誌『萬緑』を創刊、主宰した。

　昭和２３年（１９４８年）５月７日、石田波郷は清瀬の国立東京療養所に入所。

　昭和２４年（１９４９年）、中村草田男は東京療養所に石田波郷を見舞う。

　昭和３４年（１９５９年）４月８日、高浜虚子は８５歳で没

　　　高浜虚子先生告別式の翌日に

雲かけて萌えよと巨人歩み去る

『時機』

　昭和３４年（１９５９年）４月、中村草田男は星野立子・石田波郷と共に虚子歿後の朝日俳壇の撰者となる。

　昭和４４年（１９６９年）１１月２１日、石田波郷は結核のため５６歳で死去。

　　　石田波郷氏急逝の通夜の席上にて、次の即吟二句を誌して霊
　　　前に供ふ。

最後まで黒髪男の子椿邸

満庭の椿樹の花序を訊はまくも

『大虚鳥』

昭和５８年（１９８３）８月５日、８２才で歿。

松山市の鷺谷墓地に墓碑がある。

平成１５年（２００３年）８月８日、『大虚鳥』刊。

大虚鳥（おほをそどり）は鴉の蔑称。

蔦温泉
大町桂月の像