旅のあれこれ文 学


『風雅和歌集』

 室町時代、17番目の勅撰和歌集。20巻。総歌数2,211首。

風雅和歌集巻第五

  秋歌上

題しらず
前中納言定家
山里は蝉のもろ聲秋かけて外面の桐の下葉おつなり

さよの中山といふ所にて鹿の鳴を聞てよめる
橘為仲朝臣
旅ねするさやの中山さよなかに鹿も鳴なり妻や戀しき

風雅和歌集巻第六

  秋歌中

和歌所にて暮山遠雁といふことを講せられけるに
皇太后宮大夫俊成
小倉山ふもとの寺の入あひにあらぬ音なからまかふ雁かね

月前旅を
皇太后宮大夫俊成
清見かた波をかたしき旅ころも又やはかゝる月をきてみん

海邊月明といふ事を
後醍醐院御製
清見潟ふしの煙や消ぬらん月影みかくみほのうら波

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