花をうつ |
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暁鳥の |
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翅かな |
秋天や |
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あきつの羽に |
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ある韻き |
材木や米代川の秋の風 | 露月 |
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このふみ不亡蒼天麗かに | 北涯 |
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誰を得て衣鉢伝えん寒稽古 | 五空 |
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鶺鴒や天地開闢よりの閑 | 格堂 |
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鳥追や早やたそがれの袖の雪 | 炎天 |
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この道の能代につづく遅桜 | 紫陽花 |
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秋風や身は野ざらしの五十年 | 北方 |
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一望の中に枯野の大傾斜 | 洋々 |
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詠みなやむ連句の恋や藤の雨 | 三千丈 |
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初烏大方河を渡りけり | 樸工 |
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灯火親し音をたてて来し夜の雨 | 露渓子 |
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ぼんぼりの灯の水色やかご枕 | 汀波 |
拝復 新聞寄稿之儀は仰ニより中止致し候雑誌御発行之由奉慶賀候、名前は北斗杯面白く候へども多少御差支之趣に付「俳星」と命名致候、寒花などいふ巴面白からず存候ホトトギス、車百合、芙蓉、フゞキ、埋木、等皆同一趣味の名号故少し風変りニ「俳星」なといふハよろしきかと存じ候 露月ニハめった御出逢無之哉若し御序があったら |
晩酌をヤメテ、チト句デモ文デモ夜ナベニ作ッタらドウダ |
と御傳被下度候 一月廿七日
規
悟空兄 |
元禄ノ昔、北村季吟ノ高弟渟城桂葉此ノ地ニ誹諧ノ種ヲ移シ植ヱテヨリ三百年、明治三十三年露月、北涯、五空相寄リテ俳誌発行ノ事ヲ子規ニ謀リシ処、欣然「俳星」ト命名セラレ、同年三月第一号ヲ刊行以来星霜実ニ七十有余年ヲ経タリ。此間再度ニ亘ル休刊アリシモ今茲ニ誌令七百号ヲ迎フルニ至ル。発刊ノ当初ヨリ全国俳壇ノ雄澎湃トシテ集合シ来リ、遂ニ天下ノ俳壇ヲ三分スルノ壮觀ヲ呈シタル事実ハ俳句史上炳乎トシテ実証セラルル処ナリ。今是ヲ顧レバ露月、五空、格堂、炎天、洋々、三千丈等歴代主幹ノ献身努力ニ依レルハ論ヲ俟タザル処ト雖モ、加ヘテ代々主幹ノ時代之レヲ専心扶援セラレタル鳴雪、虚子、碧梧桐、紅緑、月斗、句佛、(以下略) |