与謝野晶子の歌碑
花巻温泉
花巻温泉には多くの文人が訪れていて、与謝野鉄幹・晶子夫妻、高浜虚子を始め数多くの歌碑や句碑がある。 |
山のあたままろき緑を重ねたるなかに音しぬ台川の水 | 寛 |
|||||||
深山なるかじかに通ふ声もして岩にひろがる釜ふちの滝 | 晶子 |
与謝野鉄幹(寛)・晶子夫婦は、昭和6年6月7日、啄木の足跡などを巡る北海道旅行の帰途来訪、松雲閣に投宿。(かじかはカジカガエルのこと。) |
「松雲閣」は昭和2年から営業。総檜造りの建物だが、老朽化で平成14年に営業を停止。取り壊されるようだ。 |
8日の午前、花巻温泉付属動物園内を散策している与謝野寛氏に刺を通ずると温泉一帯の新緑をバックに立った夫妻は快く記者を迎えながら、今回札幌帝大の招聘を受け大学で講演後、層雲渓を始め北海道内の各地を探勝してゆうべ花巻温泉に参りました。
こちらは初めてです。「第一印象ですか」えいですなア、付近の山が気に入りましたヨ。京都の西山を思ひ出します。釜淵一帯の景色も立派なものです。東北といへばどこか、マがぬけいゐるやうに感ぜられますが、温泉の設備がよし、付近の山がよいので二人共、非常な満足です。 |
花巻の湯元の町のともしびをうすく巻けるもみちのくの霧 |
|
山長く出羽ざかひにつゞきたるその渓合ひの花巻の里 晶子 |
昭和6年6月9日岩手日報 |