ミレーは、ほぼ同じ構図、ほぼ同じ大きさの作品をもう一点描いていて、ボストン美術館に所蔵されている。 |
蛇笏飯田武治先生は明治18年4月26日山梨縣境川村に生れた。生涯家郷の山廬にあつて句業に専念し、雲母を主宰してその格調高い清韻を全國に普遍した。晩年に至るまで毅然たる風姿を以て作家活動を繼續。句集山廬集をはじめ幾多の傑作と著書を残して、昭和37年10月3日に永眠した。この碑は蛇笏先生の一周忌に際し蛇笏文学を讃仰する多くの門下ならびに知友後輩によって建立された。碑面の句は大正3年の作。筆蹟はその自筆短冊より得た。 昭和38年10月
飯田蛇笏文学碑建設委員会 |
竜太氏は、この句について「影は陰影であり、光である。この影に透明感と遠近感が出ている。これが表てに見えない技巧のさえである。写実より想念である。大きな、大きな露に、秋だなーと感じとっている。これは父が大正3年の秋、薬瓶をさげて、八代の医者に目を見てもらいに行き、その帰り道で、八代と境川の境の浅川橋の近くの竜安寺のあたりで、南アルプスなどを眺めての感懐である」と話された。
『甲州の文学碑』(奥山正典) |