2019年山 口

龍泉寺〜「風来居」跡〜
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新山口から山口線で湯田温泉へ。


山口市前町に龍泉寺という寺がある。


浄土真宗本願寺派の寺である。

 文久3年(1863年)、「八月十八日の政変」によって朝廷の実権が尊皇攘夷派から公武合体派に移ると、7人の公家が長州へ逃れた。「七卿落ち」である。

 元治元年(1864年)5月1日、東久世通禧、四条隆謌の2人が龍泉寺に移る。別名「湯田前町御殿」と呼ばれたそうだ。

「風来居」跡


 昭和13年(1938年)11月、種田山頭火は旧小郡町の其中庵を出て、湯田温泉に近い龍泉寺の上隣に転住、「風来居」と名付けた。

十一月、湯田の風来居に移る

一羽来て啼かない鳥である

秋もをはりの蠅となりはひあるく

水のゆふべのすこし波立つ

燃えに燃ゆる火なりうつくしく


記念碑はおろか目印になる標柱もない。

急転直下左記へ移動いたしました。

 山口市湯田前町 徳重様裏

万々後便で。

昭和13年11月20日、木村緑平宛書簡

いよいよ草の中から人間の中へはいりました、文字通りの詑(ママ)住居ですが、いつでも温泉にひたれることが何よりのよろこびです、引越には閉口いたしました、なかなか面倒で、そしてとても銭が入りましたよ、酒もまた飲みだして困ります、とにかくここで転一歩して勉強いたしませう、どうぞ奥様によろしく。

昭和13年11月28日、木村緑平宛書簡

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