私の旅日記〜2009年〜
薬王院〜碑巡り〜
思いがけず高尾山薬王院(HP)に行くことになった。
天平16年(744年)、聖武天皇の勅令により行基菩薩開山。
成田山新勝寺、川崎大師平間寺とともに真言宗智山派の三大本山。
本尊は飯縄大権現。
関東三十六不動霊場第8番札所である。
石段を登る。
八王子の町を見下ろす。
明治25年(1992年)12月7日、正岡子規は内藤鳴雪と高尾を訪れ、薬王院を参詣している。
高尾山を攀ぢ行けば都人に珍らしき山路の物凄き景色身にしみて面白く下闇にきらつく紅葉萎みて散りかゝりたるが中にまだ半ば青きもたのもし。
木の間より見下す八王子の人家甍をならべて鱗の如し。
目の下の小春日和や八王子 鳴雪
「高尾紀行」
参道には数多くの文学碑がある。
北原白秋の歌碑があった。
我が精進こもる高尾は夏雲の下谷うずみ波となづさふ
昭和12年(1937年)8月、北原白秋は多磨大会を開き「高尾山薬王院唱」17首を遺した。碑面の短歌はその1首である。
昭和十二年八月十六日より三日間に亙り、我が多磨の第二回全日本大会を武州高尾薬王院にて催す、余はその前日より先行その参集を待つ。
『橡(つるばみ)』
作品草稿のペン書を拡大し刻んだもの。
昭和37年(1962年)11月3日、建設。
高尾山で初めて建てられた歌碑だそうだ。
昭和22年(1947年)、水原秋桜子は高尾山に登っている。
高尾山 二句
山法師むらがる下に谷の雲
雲のゐる谷にさしいで山法師
『重陽』
大天狗と小天狗
右側の鼻の高いのが大天狗。
天狗は飯縄大権現様の眷属だそうだ。
星野立子の句碑があった。
春風にのり大天狗小天狗
星野立子は高浜虚子の次女。
星野椿の句碑
春風や森羅万象瑞々し
星野椿は星野立子の娘。
薬王院飯綱権現堂
享保14年(1729年)、建立。
東京都指定有形文化財である。
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