昭和44年(1969年)4月1日、水原秋桜子は爪木崎を訪れている。 |
十時出発。南へ下って爪木崎まで行ってみる。下田港の入口から東の方へ突き出ている岬で、水仙が多いらしく、そこで詠まれた句を沢山みているので、一度見学しておきたかったからである。しかし着いてみると、実にはげしい風で、波しぶきが霧のように立っている。結局私としづ子は車にのこり、若い三人だけが磯を歩いて帰って来た。水仙は花季をすぎたので全く見られず、木苺の花だけが咲いていた。
「日記抄」 |
昭和50年(1975年)1月3日、高浜年尾は爪木崎へ。 |
一月三日 白浜爪木崎へ行く 岬の宮茅の輪もありて初詣 岩に依り野水仙咲く岬の宮 桜貝拾ひしことも昔かな 初春の浜に遊ぶも伊豆なれや 渚行くわが足跡に初日かげ 著ぶくれし児を枯芝に遊ばする |
昭和3年(1928年)1月6日 、岡本眸は東京に生まれる。本名曽根朝子。富安風生に師事。『朝』創刊・主宰。 |