大正11年(1922年)4月、若山牧水は湯ヶ島温泉から浄蓮の滝を訪れている。 |
温泉場から一里ほど上に遡つたところに浄簾の瀧というふ、伊豆第一の名瀑と伊豆案内記に書いてある瀧があるが、其處の瀧壺で釣れる山魚の腹からはよく蛇や蜥蜴を見出すことがあるといふ。荒瀬にふさはしい敏捷な魚ではあるが、また誠に美しい色と姿とを持つた魚である。
『みなかみ紀行』(追憶と眼前の風景) |
昭和30年(1955年)3月、富安風生は浄蓮の滝を訪れている。 |
湯ケ島、浄蓮の滝 滝しぶきまひて山葵の花濡らす
『古稀春風』 |
昭和30年(1955年)8月、石田波郷は家族で湯ヶ島温泉に遊び、浄蓮の滝を訪れた。 |
淨蓮の瀧 瀧の風山葵田の蝶みな白し
『春嵐』 |
昭和31年(1956年)1月4日、水原秋桜子は浄蓮の滝を訪れている。 |
浄蓮の瀧に赴く 深谷の柚子垣日さす寒の入 枯蔓の日蔭日向と綯ふひかり 瀧の巌寒禽翔けてひかりなし 寒瀑の淡き藍青(らんじょう)を噴きて落つ 山葵田は凍り瀧津瀬奔りけり
『玄魚』 |