下 町台東区
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西徳寺〜大音寺前〜

東京メトロ日比谷線三ノ輪駅から国際通りを行くと、西徳寺前に西徳寺がある。


真宗佛光別院光照山西徳寺


真宗佛光寺派の寺である。

立派な寺であるが、刻限も遅いせいか、訪れる人はない。

西徳寺の北に大音寺という寺があった。

榎本其角は大音寺を句に詠んでいる。

   遊大音寺

んめがゝや乞食の家も覗かるゝ


大音寺は浄土宗の寺であるが、写真を撮るのもはばかられる程さびれていた。

今でこそ「西徳寺前」であるが、昔は「大音寺前」であった。

   廿四 曇 夜丑刻 大音寺前出火

『七番日記』(文化7年4月)

樋口一葉も「大音寺前と名は佛くさけれど」と書いている。

 廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お齒ぐろ溝に燈火うつる三階の騷ぎも手に取る如く、明けくれなしの車の行來にはかり知られぬ全盛をうらなひて、 大音寺前と名は佛くさけれど、さりとは陽氣の町と住みたる人の申き、三嶋神社の角をまがりてより是れぞと見ゆる大厦(いへ)もなく、かたぶく軒端の十軒長屋二十軒長や、商ひはかつふつ利かぬ處とて半さしたる雨戸の外に、あやしき形(なり)に紙を切りなして、胡粉ぬりくり彩色のある田樂みるやう、裏にはりたる串のさまもをかし、

樋口一葉『たけくらべ』

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