下 町台東区
indexにもどる

常楽院別院〜江戸六阿弥陀第5番〜

台東区池之端の東天紅裏に江戸六阿弥陀の第5番常楽院別院がある。


常楽院別院


 江戸時代、六阿弥陀を巡拝し極楽往生を願う信仰が行楽を伴って盛んになり、特に第5番常楽院は上野広小路の繁華街(現ABAB赤札堂地)にあったので、両彼岸などは特に賑わい、江戸名所図絵にも描かれている。 広小路のお堂は、関東大震災第二次大戦期の焼失を経て、ご本尊阿弥陀さまは調布市に移ったが、参詣の便を図って縁のある上野池之端、此東天紅の敷地を拝借して別院を設け、模刻の阿弥陀さまをお祀りしている。

 文化5年(1809年)3月20日、小林一茶は江戸六阿弥陀第5番の常楽院を参詣。

廿日 晴 山下五番阿弥陀参 上野角田川随斎の花見今日也

『文化句帖』(文化5年3月)

ちなみに江戸六阿弥陀第6番は常光寺

 東西の花に散立られて、心も山にうつり行といふ日は、三月廿日也けり。

   煤くさき笠も桜の降日哉   一茶

 山下常楽院に、人々こぞりて尊ふとむ仏おはしけるが、ことし千百年の供養なりとて、読経いと殊勝なり。かくふつゝかなるおのれさへ、すぐせの結縁(けちえん)うすからざるにや、かゝる時に生れ逢ふことのうれしく、しばらく随喜の涙を拭ひぬ。そのかみ其角が、「六阿弥陀かけて鳴らん時鳥」とありしも、けふのやうなる折にやあらん。是さへ今は百とせのかたみと成りぬ。かくてふけふも、いつか又昔とならん。されど我後の世をたのみおく軒ばの梅さへ持たぬ境涯、御仏必見捨給ふなよ。

   春桶に蝶も聞かよ一大事   一茶


岩間乙二は六阿弥陀廻りしたことを夢に見ている。

山下龜戸川ぐちと。めぐり詣る夢の中に。

(よもぎ)にも花さくこゝろ六あみだ


其角も六阿弥陀を訪れているようだ。

下 町台東区に戻る